【北京=福島香織】私有財産の保護を明記した「物権法」が3月5日から開幕する中国の全国人民代表大会(全人代=国会)で焦点になりそうだ。採択されれば資本主義化が加速されるのは必至で、社会主義国家のレゾンデートル(存在意義)を問われかねないと強い反発が出ている。保守派勢力は「同法は憲法違反」として反対要望書をインターネット上に発表した。
中国は2004年に憲法を改正して「合法な私有財産」を不可侵とする方針転換を行った。物権法はこれを具体的に進めるための法律。最終草案が昨年12月末の全人代常務委員会会議で可決され、3月の全人代で上程されれば、通例からいえば採択されるはずだ。
採択されれば、社会主義の看板のもとに資本主義化を進めたトウ小平氏の改革開放路線から資本主義への傾斜がさらに強まる。事実上、社会主義の看板も下ろすことになるとの指摘もある。
物権法に反対する呉邦国全人代常務委員長らあての反対要望書は2月15日付。元国務院発展研究センター顧問の馬賓氏ら署名者は3275人にのぼり、中央の退職幹部や政府機関の現職幹部も多数含まれる。要望書は、中国の社会主義経済制度の基礎は「全民所有制」にあるとし、「社会主義の公共財産は神聖にして不可侵」と規定する憲法12条などに違反すると主張している。
物権法では、国有企業解体の過程で横領に似た手口で資産を得た私営企業についても「時効」を認め、財産権を保障する内容になっているとみられる。要望書は、こうした特権階級に不満を募らせている国民の関心を集める可能性がある。
社会矛盾の責任を改革開放政策に求める保守派勢力は04年以降急速に台頭。物権法制定を既定方針とし、国際化と市場経済の仕上げを目指す胡錦濤政権の経済政策にも影響を与えかねない勢いだ。
やっと、矛盾に気付いたのですねー。
この問題は、経済にのみ関することではなく、中華人民共和国の成り立ちにも関わってくるのです。
中華人民共和国は、現在の中国共産党が、蒋介石率いる国民党から政権を奪取し、その後、政権維持のために自らの正統性と存在理由を日本という敵を作ることで成り立たたせていました。
その敵に負けないために、共産主義の優位性を説きましたが、国家間の格差は開く一方だったので、改革開放路線へ転向し、先冨論といって「先に富める者から豊になれ」という方針をとりました。
海外ではこの方針を資本主義への転向と考えられていましたが、当事者の中国はそう考えていないようでした。
しかし、財産権について認めると言うことは、共産主義ではなくります。つまり、共産主義をとる理由が無くなり、中国共産党の存在意義が失われ、共産党員の権力が揺らぐことになります。
そうなれば自らの生命にも関わってくるでしょう。
中国は、政権が代わるたびに前政権を否定し、要職にある者は殺されてきました。
ですから、いかなるレトリックを使おうとも、今の支配者階級が存続できる体系に変化していくと思います。
決して自発的に民主化するなどとは考えないことです。
中国からの撤退のタイミングは、すでに来ていると思います。
大企業ならまだしも中小企業は「見たいものしか見ない妄想癖」を捨て、すみやかに撤退すべきではないでしょうか?

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